インドで世界遺産として指定された、歴史的建造物です。
雇った職人の数は2万人。建造にかけた歳月は22年。
正門からマウソレウム、庭にいたる全てが緻密な対象性(シンメトリー)で構成されており、マウソレウムにいたっては、東西南北どこから見ても同じ形に見えるという、芸術的観点から見ても非常に完成度の高い建築物です。
このタージ・マハルが作られた理由は、ムガル帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンが、妻であるムムターズ・マハル(タージ・マハルの名の由来であるともされています)の死を悼んで建造した霊廟――つまりお墓であるとされています。
日本で数多の古墳を遺したように、はるか彼方の大陸でも、もういなくなってしまった人を形に残そうと抗っていたのです。
しかし、その抵抗が風化しつつあります。――近年の環境汚染による影響です。
酸性雨による大理石の侵食や、過度の地下水くみ上げによる地盤沈下など、土地開発の爪が歴史を傷つけつつあるのです。
これはタージ・マハルのみではなく、他の世界遺産に対しても共通のものだとされています。
未来が過去を食い潰し、やがて現在が掻き消える日も、そう遠くはないのかもしれません……。